おっさん、かけがえないものに気づく ~ポエムではない。準下ネタであるが真理でもある~
身近すぎて忘れていた、かけがえのない存在。
いつも僕を優しく包み込み、ぶれないよう支え続けてくれた。
ずっと僕の繊細な所を守り、危険から庇い続けてくれた。
そう、パンツの話である。
昨日、仕事中、ノーパンで過ごした。決して漏らしたわけではない。薬品を落とし、股間液体がかかった。下着まで濡れ、中枢部を薬品まみれにしたくなかったからだ。
作業服は予備がロッカーにあったが、下着の予備なんて常備してない。
なので仕方なくパンツを脱いだのだ。
ちなみに薬品は酸性である。
素肌に作業ズボンを履いたところ、ものすごく落ち着かない。
前部に妙な浮遊感がある。
後部に感じるザラッとした感覚が気になって仕方がない。
歩くと、さらに違和感が増大する。
ブランブランする。
左右交互に足を踏み出すたびに、右に左に、そして前方上に跳ね上がる。
そしてそれが腿の付け根辺りをぺちぺちと叩く。
イメージ的に、ばく進する象さんを想像してほしい。あんな感じである。(土下座)
尻は尻で、歩くたびにズボンの固い繊維が擦れて、なんというか、桃を紙やすりで擦っている映像が頭によぎる。
坐っても同様。身じろぎするたびに前がゴロンと転がるわ、後ろがチクチクするわ。
用を足した後は真剣である。
男はわかるはずだ。
ノーパンだと、色々なものをチャックに挟まるリスクが増大するのだ。
男はわかるはずだ。
あの痛みを、その痛みに悶えている時の屈辱感を。
当然のように履いていたパンツ。あの薄い布がどれほど僕の下半身を守っていてくれたか再認識する出来事だった。
余談なのだが、僕は英語の分からない小学生低学年の頃にトランクスを履き始めた。
あちこちに英単語がプリントされている物だったのだが、着替え中にそれを見た一人の、教養ある友人に大笑いされた。
彼は僕の股間を指さし言った。
「そこに書いてある単語の意味わかってる?」
英語なんて学んでいなかった僕がわかるはずもない。彼が皆の前でその単語の意味を説明した。皆に爆笑された。
以後、僕の渾名は
ビッグ
となった。
股間にプリントされていた英単語は
BIG
だったのだ。
母さん、わかってたよね?意味。
修学旅行、大風呂に入るとき、皆に
「ビッグ‼ビッグ‼ビッグ‼」
と囃され、トランクスを脱ぐと、
「OH・・・・」
と外人風なリアクションで落胆の声を上げられた。
別段背が高いわけではない。そんな僕がビッグと呼ばれるのを見て、事情を知らない新しい友人は首を傾げ、由来を知って大笑いした。
初顔合わせの人にこのネタは結構受けがよいらしく、このおかげか再会すると名前ではなく渾名で覚えていてもらえることが多々あった。
ちなみに、自分のサイズが大きいのか小さいのかよくわからない。