自分には見えないところも人は見てるって話
学生時代。プールの授業で前に並んだ同級生の肩を見た。
かなり汚い。
茶色い苔が生えたカバの背中。そんな印象が今でも残っている。ぼつぼつしてそうで触りたくない。
こんな背中にはなりたくないなと思い、僕は体をしっかり洗い、風呂の鏡でしっかりチェックしている。
そのおかげか、僕の肩は茶色い苔の生えたカバの背のようになっていない。
先日キッチンですれ違った家族に、急に耳に手を伸ばされた。
理由を聞いてみる。
「あんた、気づかないの?」
何のことかさっぱりだった。
で、聞いてみると、
「耳毛が出ている」
との事。
‥‥この歳まで生きて、耳毛なんてものがあることに初めて気づいた。
と同時に不安が過る。
今まですれ違った人たちに見られてたんじゃないか。
「うわ、こいつ耳毛が出てる。なんか不潔!」
とか思われたんじゃないだろうかと考えてしまう。
本来床屋で切ってもらえるものらしいけど、1000円カット(今では1200円カットになったが)では切ってもらえないらしい。
こんなの自分じゃ気づかないって‥‥。
同級生の肩の件も僕の耳毛の件もそうだけど、自分の汚い所、自分じゃわからないものだ。周りでこういった事を指摘してくれる人の大切さを身に染みた出来事だった。
些細なことだけど。