職質されたら「月を見ていました」で見逃してもらえるのだろうか?
土曜の早朝
窓から見た空。星は綺麗だけど月が無い。さてはと外に出た朝の4時。東空もまだ白んでいない。
空を見れば真上に月はあった。半分くらいに欠けていたがさすが月は綺麗だった。
けど、月を見つめる視線の片隅が眩しいこと眩しいこと‥‥。そこかしこにある街灯の白い光が超強烈。まあ、照らすための文明の利器なんだから当然なんだけど。なんというか不満。風情なんてあったもんじゃない。
長野県の那智村だっけか、夜空が有名なのは。そこで見る月や星々はどんなに綺麗なのだろうか。
行ってみたい。行ってみたいがおっさん一人で行ったら浮くんだろうなぁ‥‥。きっとカップルだらけだろうし。
近くの用水路の周辺は薄暗かったな、と思い出し歩き始める。そしてあることを思い出して立ち止まった。
あそこ、数年前死体が見つかったという話があるんだよなぁ。
僕は幽霊を信じていない。信じてないけど。
夜人気の無い所を歩いていると何かが後からついてきているような気配を感じたり。
お墓の前では神妙な態度をとったり。
踏んだ木の葉が人の顔のようだったりするとなんか呪いっぽいなとか思い、妙に気が落ち込んだり。
心霊スポットには決して近づかなかったり。
ホラー番組は見なかったり。
今まで行っていた験担ぎをしないと妙に落ち着かなかったり。
‥‥要はビビりである。信じていない存在を怖がっている。
それに昨今だと見知らぬ誰かに襲われるケースだってあるし、人気の無い暗い場所が怖くて仕方がない。
という事で結局断念した。
帰路にネガティブな心配性が発動。
日の差さぬ街の中を練り歩き、時々立ち止まる僕。警察に見られたらかなり不審がられるんじゃないだろうか。
職質されたらどうしよう。
「月を見ていた」で見逃してもらえるだろうか‥‥?
本当の事でも信じてもらえなそう。
というか、それを信じてくれたら、その警察をむしろ心配してしまう。
追伸、一度家に帰り、6時ごろに河原にジョギングしに行ったら川面に霧がでていた。
スマホで写真撮ったり、河川敷で朝霧に濡れた雑木林の葉を撫でたり、霧の中に入ってぐるり360度の様子を眺めたり。とてもうきうきとした時を過ごした。
‥‥他者から見たら、これも「霧の中で挙動不審なおっさん」にしか見えないだろうな‥‥。