おっさんが振り返る人生における失敗 ~上司との関係はよく冷えています~
人生における失敗について考えると、学校の進路選択の次に思い浮かぶのは、
上司への余計な一言(僕の場合二言も三言も言っていたけど)。
である。
僕は工場内の生産性に関わる設備に対して出過ぎた発言をしている。‥‥何度も。
思い返してみて、おそらくこれが不興の原因だったと思っている。
日頃から操作、点検していることもあり、その設備については僕の方が詳しかった。
なので上司の考えが誤っていた度に指摘をしてしまった。
「この系統の水はAのタンクに入る」
「いえ、そこと、Bのタンクにも入ります」
「本体の電源さえ入れれば復旧する」
「いえ、プレス機は独立しているので、そっちの電源も入れないと数時間後にエラーが出ます」
だいたいの場合、指摘しても信じてもらえず、上司の初案に基づいて作業が進み、問題が起きた。
その設備は工場の生産に大きく影響を及ぼすものなので、僕はできるだけその設備のトラブルを防ぎたくて上司に意見をしていた。それでも聞き容れてもらえなかったときは、トラブルに備え、すぐに復旧できるよう準備をし、即対応した。見方によっては失敗すると決めつけているように見えたかも。
これが気に食わなかったのだと思う。最初は気さくに話しかけてくれた上司からの風当たりが急にきつくなった。
意見を聞かれるのだが、その根拠を根掘り葉掘り聞かれ、少しでも曖昧な所があるとそこを指摘され、数十分そこをぐちぐち言われる。
言葉のニュアンスが違う事を指摘されたり、計算の仕方が自身の思った形と違うとそこをしつこく聞かれたり。
「なんでここの計算、たすき掛けなんか使ったの?」
‥‥べつに解答が一緒なんだからいいでしょ、別に。
重箱の隅をつつくというか、窓枠の埃を指摘されるような心境だ。
何か許可を得ようとしても容れられなくなった。
施設のPH測定用電極の試薬が無くなりかけていたので、交換の許可を得ようとしても聞き容れてもらえない。なぜか、
「そもそも中の試薬って何?どう作用して測定しているの?」
とか言い出し、面倒くさくなって交換を断念。
で、翌日上司から交換の指示が出る。‥‥僕ではなく他の課員に。
設備の改造があると、課員を連れて現場に行くのだが僕だけ声がかけられなくなった。で、後になって、
「なんで来なかったの」
と言われる。
現場で気づいたイレギュラーな仕事をこなして報告すると、
「お前は仕事をしているつもりになっているだけ」
「お前は無駄な仕事を増やしている」
とか言われる。空調のベルトが切れていたから交換したときも言われたが、これは無駄な仕事なのだろうか。
たしかに、部下にあれこれ言われるのは嫌だと思う。僕の言い方が悪かったのかもしれない。けど、こっちも仕事なんだから言っているのに。
余計なことを言わなければ、現場ではトラブルは発生するだろうけど、上司との関係は悪化しなかったと思う。‥‥その方が、仕事はしやすかっただろうな。
もし部署か職場が変わったら、上司の意見を第一にしたい。
上司の人柄にもよるかも。人に指摘されるのがそもそも嫌という人もいるだろうし、そういうのをまったく気にしない人もいると思う。
それをよく見ればよかったかな。
それが僕の得た失敗談からの教訓。